Shopify FlowとはShopifyでECサイトを運用するときに、ある特定の行動を自動化するように設定できるアプリです
基本の使い方は下記記事にまとめています
「Shopify Flow」テンプレートの種類説明
今回はそのShopify Flowのアプリで予めShopifyが作成・公開してくれているテンプレートの使用例をご紹介します
なお、テンプレートはいくつかのカテゴリーに分けられており、使用したいワークフローを自動化したい条件である程度絞り込むことができます
2023年8月現在のカテゴリーをご紹介しています

- 購入者体験 Buyer Experience
- お客様の購入体験がより快適になるためのフォローをするために作成された自動化テンプレート(25のテンプレート)
- お客様 Customers
- 顧客管理を自動化するテンプレート(35のテンプレート)
- フルフィルメント Fulfillment
- 配送に関わる自動化テンプレート(22のテンプレート)
- 在庫と商品 Inventory and Merch
- 商品の在庫管理と商品に関する自動化テンプレート(34のテンプレート)
- ロイヤリティ Loyalty
- 顧客ロイヤルティを高めるための自動化テンプレート(35のテンプレート)
- 注文 Orders
- お客様が注文行った際に関わる自動化テンプレート(55のテンプレート)
- プロモーション Promotions
- 商品購買を促進するための自動化テンプレート(13のテンプレート)
- リスク Risk
- 不正注文や異常値に関して備えるための自動化テンプレート(11のテンプレート)
- B2B
- BtoBに関する自動化テンプレート(3のテンプレート)
「Shopify Flow」テンプレートの使用例
購入者体験 Buyer Experience でのテンプレート使用例
Tag orders by their shipping method
Tag every order based on the shipping method that was selected
注文があった場合、その配送方法によって注文にタグ付けをします

テンプレートの設定では、設定 > 配送と配達のページで設定された配送料金の設定の「料金の名前」でタグ付けをされるように設定されています

Shopify Flowでは以下のような設定をしています

{% for shippingLines_item in order.shippingLines %} {{shippingLines_item.title}},{% endfor %}
他の固定のタグを付与することもできます
その場合はTagsに追加をします
{{shippingLines_item.title}}の部分を変更すると配送料金をタグとして出したりすることもできます(参考)
お客様 Customers でのテンプレート使用例
Tag customers that have created an account
Add a tag to customers that have created an account in your store
お客様が会員登録をしたタイミングで顧客タグを付けることができます
Shopify Flowでは以下のような設定をしています

顧客管理では以下のようにShopify Flowで設定した固定のタグが付与されます

会員登録をしたタイミングでタグ付与が実行されますが、こちらはお客様アカウントの方法が「従来のお客様アカウント」となっている場合に有効なフローです
「新しいお客様アカウント」の設定では付与されませんので注意が必要です
フルフィルメント Fulfillment でのテンプレート使用例
Hold fulfillments based on risk level
Holds the fulfillment order if risk level is high
注文のリスク状況に応じて注文を保留にします

注文が不正解析でリスク高の場合にフルフィルメントを保留にします
在庫と商品 Inventory and Merch でのテンプレート使用例
Send daily email summary with out of stock products
Every day, gets all the products that have 0 inventory and sends an email summary. Uses Get product data, Scheduled time trigger.
在庫ゼロとなった商品をまとめて毎日メール通知してお知らせをしてくれます

通知したいメールアドレスを設定することで在庫ゼロの商品通知が毎日来るような設定になっています
通知の周期やメール通知内容、在庫ゼロではなく少なくなったら(10以下)などの設定もカスタマイズすることができます
ロイヤリティ Loyalty でのテンプレート使用例
Add a birthday tag to customers
Tag customers who enter their birthday in ReConvert
これらのテンプレートタグはShopifyだけでは完結しないものばかりです
一例ですが、上記のテンプレートは「ReConvert Upsell & Cross Sell」というアプリをインストールし、こちらを有効化することで誕生日のタグを顧客に付与することができます

注文 Orders でのテンプレート使用例
Add line items to Google Sheets rows when a new order is placed
When a new order is created, a For Each step in a workflow loops over each line item to add the product data to a Google Sheet row.
Googleスプレッドシートに新規の注文を追加することができます

こちらはアプリをインストールするのではなく、Shopify Flow内部でGoogle Spread Sheetと連携することで反映するスプレッドシートを定めます
反映したいシート名とシートのURLを設定します

テンプレートでは、注文番号・商品名・注文個数・金額が並びます(通貨は$ではなく¥に変更可能です)
プロモーション Promotions でのテンプレート使用例
Get notified about large discounts on new orders
Receive an email when an irregularly large discount is applied to an order
定義した割引合計金額を上回る注文にタグ付け、なおかつメールで店舗側に通知してくれます

割引合計金額とはディスカウント機能を利用して商品割引を適用している場合を対象にしています
下図のような商品管理で商品の価格の割引前価格を記載し商品自体を割り引いている場合には適用されませんので注意してください

メールでの通知内容は初期設定では下記が記載されます
- 注文番号
- 購入者の氏名
- 購入金額
- 割引される金額
- 注文ページへのリンク
リスク Risk でのテンプレート使用例
Cancel and tag orders from known bad email addresses
Automatically cancel orders that use an email address used for past fraudulent orders. This can be easy for fraudulent customers to workaround, but can help interrupt automated fraud.
リスクが高いと見なされる顧客(メールアドレス)に対して、購入時に注文をキャンセルしメールで店舗側に通知してくれます

ここで注意しておきたいのは、キャンセル対象となった場合にする設定です
購入者側にもキャンセルされた旨のメールは届きますので、どのようなメールが届くのか事前に確認することをおすすめします(キャンセルメールは自動でお客様側に通知しないという設定も可能です)
B2B でのテンプレート使用例
Tag B2B Orders
Add a tag on B2B orders when they’re created. The tag can be customized.
B2Bの注文にタグ付けをします

こちらは未検証ですが、B2Bの注文の場合に注文タグに任意のタグを付けられます
「Shopify Flow」を使用する際の注意点
最後に、Shopify Flow を使用する上での2つの注意点です
- 設定した内容を理解して、まずはテストをして試す
- 店舗側へのメール通知は送信元が flow@shopify.com
1に関しては当たり前のお話かもしれませんが、設定する内容を充分に理解し期待した動作となるか隠れた抜け道がないかどうかをきちんとテストし実際の運用開始とするようにしましょう
2に関しては通知が来た場合の送信元が flow@shopify.com となっているので、迷惑フォルダに入るなどで通知が見当たらない!と思うことのないように注意が必要です
Shopify Flowは決められた動作を自動化し人間の手から離れることで正確に尚且つ空いたリソースを集客など他の作業に費やすことができる非常に便利なツールです
使い方をしっかりマスターし、効率よく運用をしていきたいですね